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九十九屋さんたの妖怪古今録

若返りの桃

孫悟空の神通力もアップさせた果実

 上流から流れてくるものと、桃、そういえば思い出されるのは、そう桃太郎です。捻りもなくてもうしわけないところですけど。
 おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。すると川をどんぶらこどんぶらこと大きな桃が流れてきます。おばあさんは桃を家に持ち帰りました。桃を切ると中からかわいらしい男の子が生まれます。
 というのが、知られている流れです。自分が馴染んでいるのもそうですが、別のバージョンも存在しています。
 おじいさんとおばあさんは桃を食べてしまいます。その為、おじいさんとおばあさんは若さを取り戻し、子供ができたのが桃太郎というバージョンです。

 これは桃の神秘による物ですね。桃の実は仙果といわれ、西王母という仙女の元締めといわれる方がおります。蟠桃園という仙桃のなる果樹園を持っています。その実がなるのはとても時間がかかり、食べれば長生きになるといいました。孫悟空が忍び込んで桃を喰らい、神通力が上がったくらいですからかなりのものです。まして人間がそんな仙桃を食べれば若返りなんてごく当たり前の事です。
 ところで西王母がいるというのは崑崙山といわれています。ちなみに桃は黄河の上流が原産なので、流れて根付いたイメージがどこかに残っているのかも知れません。

 日本ではあまり聞かないと思われるかも知れませんが、邪馬台国の跡なのではないかと言われている、奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で桃の種が大量に発見されたり、前少しばかり触れましたスサノオの誕生の逸話にも、桃の姿を見ることができます。
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