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九十九屋さんたの妖怪古今録

鯰絵のこと

ナマズが地震を起こす、と言われるようになったのは「鯰絵」が始まりだった

 地震が頻発しています。今、原稿を書いている間も、揺れました。終わった後でも、ずっと体が波打っている感じがして落ち着かないものです。特に寝ている時が船に乗っているようで何とも。

 ところで地震は鯰が起こすという、俗信を皆さんはご存じでしょうか。
 そんな地震を鯰が起こすというイメージは、江戸時代に作られたものです。広まった理由の一つに鯰絵というのがあります。
 今回の東日本大地震でも、漫画家のしげおか秀満さんを始め、絵を描かれる方が、プロアマ問わず、鯰絵をweb上で公表されていました。また、同じく漫画家の藤生さんなど連載の雑誌上で、鯰絵風の口絵を描いたりされたので、見た方もいらっしゃると思います。
 鯰絵は鹿島神こと鹿島神宮で奉られるタケミカヅチノカミ(武甕槌神)が、要石で持って鯰を押さえているという伝説に基づいた絵です。
 江戸時代、西暦でいうところの安政江戸地震の際ににたくさん描かれ、風刺的なものも多かったですが、それは形を変えた、地震に鎮まってほしいという祈りの形でもありました。安政江戸地震意外にもその年、数回大きな地震が起きていたからです。

 鯰と地震の俗信は、海外にも伝わってアースクエイクビートル(Earthquake Beetle)という名前になっております。地震甲虫とでもいいましょうか。鯰の髭の辺りが、伝わって虫という風に思われたらしいのですが、その姿はドラゴンの顔をしたカブトムシとなかなかシュールです。
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