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九十九屋さんたの妖怪古今録

蛇の情愛

蛇と竜の関連性は?

厳密にではありませんが、川や河、流れているものの側には、蛇や竜といったものが主とされる傾向が多いように思います。それは、形や、流れると言った動きが、イメージされるからでしょう。
 蛇の話で大きいのは、一つに蛇が人と交わるお話です。蛇が婿となるものと、嫁になるもの、その2つですね。
 婿になるもののパターンはこのような感じになります。娘の元に、見知らぬ男がやってくる。男と娘は恋仲になるが、男の正体は分からない。子供ができた段階でもまだ分からないので正体を探ると、蛇であったというもの。
 これは神話の中にも出てくるパターンで、男の正体は蛇の神であったというものです。この話が変化した場合ですと、何らかの手段で蛇の子を下ろすという展開になります。

 蛇が人間と情を交わすという話は、平安時代に書かれた『日本霊異記』や、『今昔物語』にもありますから、とても古いといえます。
 蛇は脱皮し、足のない無いその姿は男性器に似ている事から、豊穣のイメージを持つ存在でした。
 神であり、その雰囲気を感じられる物として、土偶が上げられます。古墳や、土偶の表面に描かれた紋様は蛇由来のものと思われる、六角形、三角形、波形紋が描かれています。余談ですが、今でも三角形、△は歌舞伎で魔性のものを示す鬼女や蛇の化身の衣装に用いられらています。

 蛇と情を交わすというのは、このような自然の豊穣を得るという要素があるのですね。
 そして蛇と交わるということで、生まれた子供の事です。蛇の姿で生まれる多くは、生まれて殺されるか、流れるように仕向けられます。
 そのまま長じた場合は、どうなるのか?

 『常陸国風土記』にこんな話があります。
 哺時臥山にヌカ彦、ヌカ姫と言う兄妹がいました。ある夜妹の元に男が訪れ、夫婦となりましたが、その一夜で懐妊した。妹は月満ちて子を生みますが、それは小さな蛇でした。
 というところで次回に続きます。
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