おりものの役割をご存じですか?
「おりもの」とは、子宮頚部や膣からの分泌物で、子宮や膣からはがれた古い細胞などが混ざっています。
通常は、無色透明から白っぽく、乾燥するとやや黄味をおびることもあります。
おりものの状態は、女性ホルモンのエストロゲンによる影響を大きく受けるので、特に排卵期には大きな変化が見られます。
排卵期には量や透明度、そして精子受容性が最大となるため、排卵期の精子の疏通性が著しく高められます。
おりものは、中医学漢方では「帯下(たいげ)」と呼ばれ、体質を判断する上の重要な要素とされています。
~おりもの二つの大きな役割~
自浄作用細菌が外界から身体に侵入するのを防いでくれます。
排卵期の受精の手助け精子の侵入をサポートし、妊娠しやすくする役割があります。
頸管粘液
おりものの役割の一つが、『自浄作用』です。
膣の潤いを保ち、デリケートな粘膜を保護する働きをします。
細菌が膣内で繁殖しないように、膣の中を弱酸性に保つ働きがありますので、膣の中を過剰に洗いすぎてしまうと、逆に常在菌のバランスが崩れてカンジダ真菌などが繁殖することがあります。
また、排卵期には『妊娠を手助けする』役割も持っています。
精液は弱アルカリ性で膣内は弱酸性のため、精子をおりもので包むことで精子を守り卵子まで到達しやすくします。
そのため、妊娠をご希望されている方は、卵胞期〜排卵期のおりものの量や質をチェックしてみてくださいね。
おりものの変化について
年齢によっての変化
おりものは、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けるため、女性ホルモンの分泌がピークになる20歳ころから、量が増えてきます。その後、エストロゲンの分泌が減少していく更年期が近づくにつれ、おりものの量は減っていきます。
生理周期での変化
生理が終わって数日してから、さらっとしたおりものが出始め、排卵期に向けて徐々に多くなるに連れて粘性も増えていきます。
排卵日が近い時の理想的なおりものは、指で触って伸ばすと10cmほど糸をひくように伸びます。この粘液を自然に乾燥させ顕微鏡でみると、きれいなシダ状の結晶がみられます。
排卵後からは量が少なくなり生理前には臭いが強くなることもあります。これは、排卵後から分泌される女性ホルモン、プロゲステロンの働きです。
プロゲステロンは子宮頚管に対してエストロゲンと逆の働きをし、頸管粘液の分泌を止める働きをします。そのため、排卵後はおりものが少なくなります。
もし、おりものが黄色くなったり、ポロポロとした状態になったり、といつもと違う様子が見られるときは免疫力が低下して、細菌感染している可能性がありますので、早めに病院を受診しましょう。
匂いの変化
おりものは少し酸っぱい匂いがします。それは膣内の「乳酸桿菌」という善玉菌が乳酸を分泌するためです。
酸っぱい匂いは健康な証なので、心配しなくて大丈夫です。おりものの匂いは周期によっても変化があり、生理前は匂いが強くなる傾向があります
。もしも、普段とは違うイヤな匂いや、大きな変化がある時は、病気の可能性もあるので一度病院で相談してみてください。