《花粉症の真因は腸内環境の異常？！①》で記述した「腸内環境と健康（美容）にスポットが当てられ始めたことが、医療の改革と本質的方向性ヘの切り口になる」と私が感じたのは、40年前から実施してきた当院の自律神経整体「湧命術」の実績に由来しています。

当院を訪れる方の大半が不眠を伴うパニック障害やうつ病、不安障害など、自律神経に失調をきたした方ですが、そういった方々は皆さん胃腸が弱いのです。胃痛、胃もたれ、吐き気、食欲不振、腹痛、便秘、下痢
などの症状がある方です。

そして、そういった症状が施術によって改善していく中で、パニックやうつ症状、不眠が改善していくのです。

それは、どういうことを意味しているのでしょうか？

うつ病の人は脳内のセロトニンが少ないと言われています。胃痛や食欲不振、便秘、下痢などが無くなるということは、栄養の消化・吸収が良くなるということです。

脳のセロトニンは、腸から脳に送られるアミノ酸の一種であるトリプトファンを材料にして作られると言われています。施術の結果、胃腸の機能が改善して脳に送られるトリプトファンが正常化したことが考えられるのです。
実際、当院の施術前に行った精密な血液検査で、医師から「トリプトファンが少ない」と言われた例もあります。

また、胃腸というのは休息・リラックスの副交感神経の支配下にありますから、副交感神経を引き出す施術も必要となります。それが主として仙骨部のほぐしであり、脳幹周辺のほぐしに当たります。仙骨部と脳幹からは副交感神経が出ているからです。

さらに、胃腸が悪い方は必ず背中から腰部にかけて硬くなっています。その硬結部をほぐし、ビワ温灸で温めるということも重要です。

重要なのは、その結果副交感神経が活性化して、良く眠れるようになることです。
深い睡眠が得られるようになることで、パニック障害やうつ病の症状は急速に改善に向かうのです。


この稿②では、「脳幹の機能の正常化と大脳の興奮の鎮まり」について、③では、「呼吸の正常化」について記述していこうと思います。
いずれも、質の良い睡眠と結び付くことです。

分かり易くするために敢えて3つに分けて記しますが、3つはそれぞれつながっており、3つで1つであることを付け加えておきます。

（つづく）


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