真間駅前通り会
真間駅前通り会でお店を構える店主や店長、社長の素顔を通して、商店街の空気を感じてください。
「入ってみたいと思える床屋にしたかった」という樺澤 宏晃(かばさわ ひろあき)さんが見据えるのは、その先にある「馴染みの床屋を持ってほしい」という願い。
樺澤理容店を営んでいた両親の後を継いで、二代目としてこの仕事を始めてから約30年。
2001年3月に全面リニューアルし、店名も『ヘッドストーム』に改めた。
作りは美容室風でも、理容の仕事をきっちりするのがコンセプトという。
確かに、サインポール(青・赤・白のグルグル回る看板)や白衣、AMラジオに野球放送といった、昭和の床屋さん的なものは何もない。
が、もちろんそれは、気取った店舗にするということではない。「『あー、どうもいらっしゃいませ!』という関係は大事」と、昔ながらのお客様とのコミュニケーションは大切にしている。
“髪を切る、洗う、顔を剃る”を提供するだけではなく、お客様と知り合うこと。
髪の毛を切りに来たお客様とロックの話で友達になって、飲みに行ったりすることもある。
例えば、髪型や眉カットの流行は、メディアに頼る部分も大きいが、それよりもお客様との対話の中で感じていく。眉の下を揃えたほうが若々しく見えるので勧める場合もあるが、それもお客様との信頼関係があってこそ。
入ってみたいと思う店構えにし、入れば床屋の技術をとことん提供する、そんな床屋さんと言える。
店内に入り奥に目をやると、見たことのないマシンを発見!
これはオートシャンプーマシン『アクアバイブロ』。
浅めの洗濯槽状の空洞に頭を入れると、リングが移動しながら、水圧で髪を洗い上げる。
仰向けでも前かがみでもOK!
髪の長さで時間は多少変わるが、通常は4分程度。
人の手による髪の引っ掛かりがないので、抜け毛の心配もなく、マッサージ効果も。
お年寄りにも安心。店名のヘッドストームの象徴ともいえるシルバーメタリックの優れもの。
リニューアル時には、「これぞと思うデザイナーを見つけて、とことんこだわった」という店内のデザインは、樺澤さんのアイデアもたくさん散りばめられている。
全体のイメージにこだわり、土と木とメタルをうまく融合させてまとめた。
10坪の店を広く見せるために、鏡をランダムに配置するという工夫もしている。
2台ある椅子はゆったりと包み込まれるような座り心地で、マッサージ機能も併せ持つ。
洗面台は可動式なので、奥に収納すれば、足下も広くなる。
入り口の扉を開ければ、ナスカの地上絵『ハチドリ』が!
灯りをつけることもできる店名を施した仕切りは可動式。
引き出せば、隣の席との仕切りになるので、隣の目を気にしなくてすむ。
フィギュアや、ロックの映像など、好きなものを随所に置いてあるのも個性的。
ひとつどうしても残したかったものがある。両親が築いた『樺澤理容店』の名前だ。
“HEAD STORM Featuring CAVASAWA since 1955”
両親へのリスペクトが、店名に残されている。
居心地のよいカットスペース
可動式の仕切りは隣との目隠しに
大好きなロックのCDジャケットも
フィギュアも探してみて
これだけこだわった店内なので、「気持ちよく仕事ができる」と、居心地満点の様子。
仕事に入ると技術者としての意地が出てしまい、入れ込んでしまうと1時間~1時間半かかってしまうこともあるそう。
「お客様が気づかなくても、技術者として納得いかないことがあれば、とことん追求してしまう」。
そこから生まれる付加価値が、長く支持されることにつながっている。
「髪型に正解はない。だから面白い。10人来たら、10人とも違うから飽きない」と、この仕事の魅力を語る。
愛用のはさみ。
長さや先端の形状に微妙な差がある。
お客様との会話で印象深いこともたくさんあった。
両親の代から来ているお客様に「あんたの代になってからの方が長くなったね」と言われたことや、「やっとちゃんとした床屋さんを見つけた」という言葉をもらったこと。
技術者の休日は、大好きなロック漬け?
いえいえ、からだを動かすこと。
「何に対しても凝り性で気が済まなくて」。
生まれ育った市川の魅力は、「都内に近くて便利なのに、自然にあふれて、伝統もある」こと。
都内から帰ってくるとき、江戸川を越えて、里見の森が見えてくると、帰ってきたなぁと思うそうだ。
この市川真間の地に根ざして技術を提供し続けることで得たものは大きい。
「地元の馴染みの床屋」、いい響きだなと思った。
料亭 白藤さんの密着取材を行いました!
創業昭和5年! 市川が誇る歴史ある料亭の雰囲気を感じてください!
インタビュー HEAD STORM ヘッドストーム
インタビュー ITALIAN TEA ROOM Mario